震えて身動きが取れない私。


こんな事をして……何になったんだろう。


どちらも動けなくなってしまって、どちらも死ぬのなら……私がやった事はいったい。












「キャハハハハハッ!!」












廊下の奥、必死に逃げる遥と、それを追う「赤い人」の姿が緑の光に照らし出されて、こちらに向かってくるのが確認できた。


「何してるの! 逃げなさいよ!!」


こちらの状況を知ってか知らずか、遥が悲鳴にも似た声を上げる。


でも、自分の犯した罪の重さで身体が動いてくれない。


「カラダ探し」で人が死んでも、目覚めたら生き返るなんて……。


頭ではわかっていても、自分がそれを実行したかと思ったら、とてもじゃないけど割りきれない。


いつの間にか溢れる涙が、私の横を通り過ぎる遥の姿を歪ませる。


「ふ、ふざけるなっ!! し、死んでたまるかっ!!」


手首を押さえて立ち上がった中島君は、「赤い人」から逃げるように階段の方に向かって歩きだした。


私と「赤い人」の間にはもう誰もいなくて。