「そうなると、食べさせる相手ってのは社長くらいになるわけだ」


「……食べさせたんですか?社長に」


「うん、まあ……何度か」


想像してみる。

アラサー息子の手料理を食べる初老のパパという図。


パパの方は、「味濃くない?」とか「盛り付けに品がない」とか、息子をからかい続け、
息子の方は、「うっせー!じゃあ食うな!」等の悪態を吐き続け……。


なんだ、その面白ほのぼの映像。

いい年した男たちの休日がソレ?


「私的には見たいかな、ソレ」


私の言葉にゼンさんが下唇を突き出し、不機嫌な顔になった。

いかんいかん、娘どころか旦那まで不機嫌に。

私は話題の軌道修正を図りながら、どうにか楽しく夕食を終えることに成功した。