だめだ。
みなみは脚を使おうとすると、上半身に気が回らなくなるようで、再びほっぺたを床につけお尻だけぴょこぴょこ。


「ヴヴーッ!」


みなみが低い声で唸り出す。うまくいかないのは本人もわかっているらしい。


「まあまあ、みなみ。気楽にやろうよ。先は長いんだから」


私は気分転換にと、みなみをお座りの姿勢に戻してあげる。手にビーズ入りのガラガラを握らせると、お気に入りのブツにみなみはニコニコと腕を振りだした。

私はそんなみなみを眺めつつ、昨夜のゼンさんを思い出しニヤニヤしてしまう。



『おまえが元気なのは嬉しいんだ』


みなみが良く寝てくれたことで実現した、久々に情熱的な夫婦生活の後、ベッドにつっぷしたゼンさんはこちらを見ずに言った。


『一時は育児がつらそうだったから。そりゃ、今だって楽ではないだろうけど、少し気持ちに余裕が出てきたみたいだろ?』