マンションを出てひたすら歩いた。

真冬にコートも着ずに飛び出してしまったけれど、そんなことどうでもよかった。


私じゃダメだ。


みなみを幸せな女の子にしてあげられない。


私はダメな母親だ。


みなみを……

こんなに愛しているのに。




それほど長い時間はかからなかったようだ。
近所の公園のベンチに座っていると、ゼンさんがみなみを抱いてやってきた。
ゼンさんはパジャマのままで、みなみだけ布団でぐるぐる巻きにされている。

ゼンさんの腕の中で、みなみはぐっすり眠っていた。


「前も、ここに家出してたな」


ゼンさんが苦笑いで言う。

そういえば、そうだ。
ここは、なかなか陣痛が始まらず腐っていた時に家出してきた公園。