授乳を終えると余計寒くなった。

ゼンさんは
「風呂にでも浸かってくれば?」
なんて言うけれど、
お風呂まで行って服を脱ぐのすら寒そうだ。

夕食作りまで間があるので、私はみなみが遊んでいるプレイマットの近くに毛布にくるまって転がる。

なんだか、おかしい。

異常に寒い。

冬ってこんなもんだっけ?
去年の今頃はつわりで死んでたから、記憶が定かじゃない。

時間を追うごとに腰痛はひどくなり、今や脚や肩まで痛い。
そこで気付く。

あ、これは腰痛じゃない。
全身の関節痛だ。

ってことは?


「ゼンさーん、申し訳ない!そこの棚から体温計をとってくれない?」


ソファにいたゼンさんが怪訝な顔でこちらを向く。
その時まで、ゼンさんも私の寒さをたいしたこととして考えていなかったようだ。
しかし、私の顔色を見て、様子が変わった。


「佐波、おまえ顔が真っ赤だ」