「そうよ、ここにいるママはみんな赤ちゃんにおっぱいあげてるの」


お隣のママは落ち着いた声で優しく言う。
私だったら「お隣をじろじろ見るんじゃありません!」って言っちゃうかも。


「ママもたろちゃんにあげてるもんねー」


女の子はにこっと笑い立ち上がると、ママの腕の中の弟をつっつく。


「なおちゃんも昔飲んでたわよ」


「知ってるよ。おいしーって飲んでたよ」


私は何となく、そのやりとりを見つめてしまった。
すると、ママの方と目が合う。

その人がにっこり笑った。


「女の子ですか?」


話しかけられ、私はびくっとする。
慌ててうなずいた。


「はい。一人目です。お二人目ですか?」


「三人目なんです。上の子は小学生」