空にはたくさんの星が散らばっていて、きみを見上げるとその星々も同時に視界に入ってくる。
「何から話せばいいのかな。難しいね、言葉にするのって」
「……ゆっくりでいいよ。ゆりあのペースで」
僕は微笑む。
「ありがとう、優太」
同じようにゆりあも微笑む。
「あのね、優太と再会したとき、私たちが再び会えたとき。私、言ったよね?優太が会いたがってたからきちゃったって」
「……うん、言ってたね。僕が泣いてたのを見た誰かが、ゆりあのところにきたんでしょ?会いに行きますかって」
「そう、よく覚えてるね。……でもね、違うんだよ。私は優太が会いたがってたからここへきたんじゃない。本当は、本当はね、逆なの」
「……え?」
ゆりあは僕の顔をもう見てはいない。
座っている僕に対して立っているゆりあは、さっきと同じように空を仰いでいる。
逆、とはどういうことだろうか。
再び僕はゆりあの言葉を耳を澄ませた。
「本当はね、私が優太に会いたかったの」
きみの澄んだ声が少しだけ震えている。
寂しい、と言わんばかりに揺れている。
「……優太に会いたかったのは、優太のことを忘れられなかったのは、私のほう。優太に会えなくなって毎日泣いていたのは、全部全部私なの」
吐き出すように紡がれる言葉。
ゆりあは今、どんな顔をしているのだろうか。
僕はその場を動けないでいた。