「はい、そちらの女の子もね」
「島田芽衣……」
芽衣は感性豊かな女の子だ。
私の苦しそうな顔を見たからか、眉間にシワを寄せている。
「ありがと。それじゃあ……」
夏未先生は白衣のポケットから小さなメモ用紙を取り出して、なにか書き始めた。
そしてそれを折り、千春の胸ポケットにうまく掛ける。
そこには……”ちはる”と書いてあった。
そして、同じように芽衣にも……。
ふたりは首をかしげている。
「莉子ちゃんのお友達ね。
莉子ちゃんあなたたちが来てくれるの、心待ちにしてたのよ。でもね……」
夏未先生一旦口をつぐんで私の顔を見つめた。
「莉子ちゃん、私からでいいかしら?」
「……はい」