夏未先生の言うとおりだ。
私には『素敵な人』がついている。


「お友達にも協力してもらわないとね。
千春ちゃんに芽衣ちゃんに……響君もね」


響ちゃん……。

そういえば母は、私と響ちゃんが話さなくなってから久しいということをまだ知らない。

「……うん」


だけど今はなにも考えられない。
これから私は、どうなってしまうのだろう。



病院の食事は、おいしくない。

ベッドをあげてもらって口にした食事は、なんとも味気のないもので、たくさんは食べられない。

味が薄いからではない。
食欲なんてわかないのだ。


それでもこれ以上母を泣かせたくない私は、必死に食事を口に運んだ。
だけど食べられたのは、出された食事の半分にも満たなかった。