「そうそう、芽衣ちゃんと千春ちゃんが、今日来てくれるみたいよ」
「ホントに?」
一気にテンションが上がる。
「あなたが眠っている間、ふたりとも何度も来てくれたの。
でも面会謝絶だったから、あなたに会えるの楽しみにしてるって」
「……うん」
正直言って、ホッとしていた。
芽衣や千春にならなんでも言える。
だけど、おそらく母であろうこの人に、「あなたのことが誰だかわかりません」なんてとても言えない。
三日間も意識を失っていたのだ。
本当に母なら、これ以上は心配かけたくない。
自分の身に起こっていることに混乱していると、ドアがノックされた。
「はい」
「失礼します」
白衣を着た医師がやって来た。
看護師と先生の違いは白衣とナースキャップでわかる。