「長瀬さん、朝ですよ。気分はいかかですか? 」
「大丈夫、です」
唇も渇いてしまって、長い言葉を発することが困難だ。
「許可が出ていますけど、白湯でも、飲みますか?」
「……はい」
看護師はすぐに病室を出て行って、小さな急須のようなものに白湯を入れてきてくれた。
「少しずつですよ」
寝たままの私にゆっくり白湯を飲ませてくれる看護師は、私に微笑みかける。
「ご両親、一旦帰られました。
着替えなんかを持ってまた来られるそうですよ。
困ったことがあったら、すぐにここのボタンを押してくださいね」
看護師のことを"白衣の天使"なんてよく言うけど、その通りだ。
動けない病人にとって、命綱のような人。
やっぱり看護師は偉大だ。