「ケガ自体は足の骨折だけ済んだのですが、頭を強打して、三日間ほど意識を失っていました」
三日間も?
だからこの人達は泣いているんだ。
だけど、誰?
「CTなどの検査で、脳に異常がないことは確認しましたが、なかなか目を覚まされないので、皆さん心配されていたんですよ」
私は小さく頷いた。
なんとなくなにがあったのかは把握できた。
あの車にはねられて、私は今、ここにいるんだ。
「少し、お話しできますか?」
うまく話せるかどうかわからない。
だけど、私は頷いた。
「辛くなったらすぐに言ってください。
簡単な検査の一環です」
先生はそう言うと、ベッドサイドに置いてあった丸椅子に座った。