朝、いつものように新山家に行って、響ちゃんに一方的に声をかけた私は、ジュースを飲み干して学校に向かう。

響ちゃんと言葉を交わすことすらなくなってしまったのは寂しい気もしたけど、どうしようもない。
私達は違う道を歩き始めたのだから。


母は私に彼氏ができたことを薄々感じているようだ。
休みの日にデートに行くことが増えたからだ。

だけど、響ちゃんとはまだ仲がいいと思われているらしい。
私もあえて言うことはないと、そのままにしておいた。


哲哉先輩と待ち合わせをしているコンビニが見えてくると、先輩はもう先に来ていて私に大きく手を振る。


「莉子」

「哲哉先輩、おはよ!」


いつものように先輩に駆け寄った。
けれど……。