一番高い位置に近づくと、遠くの海まで見えて感動だ。


「すごい」

「でしょ? 莉子にこれを見せたかったんだ」

「ホントに? 先輩、ありがとう!」


視線を海から先輩に移すと……彼は私をじっと見つめていた。


「莉子、好きだよ」


それからはあっという間だった。
先輩の手が伸びてきて、私の顎をとらえる。

そして、顔が近づいてきて唇が重なった。

私……先輩と、キス、してる……。


ハッと我に返って先輩の胸を強く押し返すと、彼は驚いた顔で私を見つめる。


「ごめん。イヤ、だった?」


気が付けば、ぽろぽろと涙がこぼれ、止まらなくなっていた。


「ごめんなさい。そうじゃないんです。私、初めてでびっくりして」