慌てて彼に続くと、晴れ上がった空が私達を迎えてくれた。
そろそろ梅雨入りするであろうジメジメした季節の、束の間の晴れ間だ。


「いい天気になったな」

「当然。晴れ女だもん」

「んなこと言って、入学式雨だったくせに。お前は雨女決定」


いちいち意地悪な言葉を吐く彼に、「イーッ」として見せる。

だけど、緊張する入学式に彼がわざわざ見に来てくれたと知った時、うれしくて泣きそうだったのを覚えている。

もちろん照れ屋の響ちゃんは、「中学の陸上部の後輩に会いに来た」と言っていたけど。


「ほら、行くぞ。お前の足じゃ遅刻」

「待ってよ。響ちゃんの足が長すぎるんだから!」


スタスタと歩き出した彼は、私のことなんて気にしていないようで気にしてくれている。
大幅に遅れると、歩みを遅くしてくれるから。