あの時から私達の関係は変化した。
それまでは、成長期の早かった私の方が体も大きくて、響ちゃんは私の陰に隠れているようなおとなしい男の子だったのだ。
だけど、震える私をギュッと抱き寄せて、雷から守ってくれた響ちゃんは、立派な男の子だった。
いけない。
お化け屋敷で手を握っていてくれたのは、哲哉先輩なのに。
「もー、最後のあれはないですよね」
「あれは驚いたな。怖いというより、びっくりだ」
出口が見えたと安堵した時、突然冷たい手に足首を握られたのだ。
その感触が、まだ消えない。
私は響ちゃんとの思い出を打ち消すように、必死に話した。
ちょっと、休憩。
先輩に促されてベンチに座ると、彼はジュースを買ってくれた。