お付き合いくださいました皆様、ありがとうございました。
今回は、「相貌失認」(フェイスブラインド)ということを取り上げ、書かせていただきました。
この作品を書くきっかけになったのは、軽度の相貌失認の方に出会ったことでした。
その人は先天性、つまり生まれつきでした。
小さな頃は男と女の違いが判らず、髪が長い、もしくはスカートを履いている人が女性。
それ以外は男性と思っていたそうです。
だから髪が長い人がバッサリ切ったりすると、男になった!と真剣に悩んだそうです。
その人は、おそらく他の脳の回路が発達し、今ではほとんどわかるようになったようですが、おそらく顔を覚えにくいというのは変わらないと思います。
私が時々こうしたことを取り上げるのは、そういうことと闘っていらっしゃる方がいることを知っていただきたいから、というのもあります。
ただ、莉子はかなり重症例です。
また、先天性ではなかったが故、苦しんだ部分もあったと思います。
ですが、莉子ほど重症ではなくとも、日々困っていらっしゃる方もいます。
そして、自分がフェイスブラインドだと気づかずに苦しんでいる方も……。