平然とした顔で私を見つめる響ちゃんは、鍛えられた上半身を惜しげもなくさらしている。
「なんかさ、俺、暑いと脱いじゃうみたい」
「はっ?」
「なーんて」
握ったままの私の手をグイッと引いた彼は、自分の膝の上にまたがらせるように私を座らせた。
近い……近すぎる。
さっき触れたばかりの唇が目の前に、ある。
「お医者さんごっこ、始めます」
「もう!」
顔が真っ赤に染まる。
小さいころとは違うんだから、服着なさいよ!
頬を膨らませて怒ったフリをしたけれど、そんなの響ちゃんには通用しなかった。
「莉子」
「ん?」
突然神妙な面持ちに変わった彼が、私の名を優しく呼ぶ。
「いつか、抱いてもいい?」
な、なに言ってるのよ!