おばさんを見送ると、二階へ上がる。
ドアの前で深呼吸してからノックすると、「んー」という気のない返事。
「響ちゃん、朝だよ!」
ドアを開けて踏み込むと、彼は枕を抱えてベッドにうつ伏せになっている。
「おーきーろー!」
ベッドのそばまで歩み寄って、布団を剥ごうとすると……。
「うるさいなぁ」
「わっ!」
伸びてきた手に、腕を強く引かれて……。
「重いんだけど?」
「だって響ちゃんが!」
よろけた私は彼の体に乗っかってしまった。
慌てて下りたのに、また腕をつかまれる。
そして……ガバッと上半身を起こした彼と、唇が重なった。
「おはよ、莉子」
「ななな、なんでまた裸なのよ!」