「そんなこと、全然問題ないよ。
莉子ちゃんは、娘みたいな大切な存在なの。
響のこと、これからもお願いね」
昨日のうちに響ちゃんが、おばさんに私が嘘に気づいたことを話してくれた。
そして、付き合うと宣言したらしい。
照れくさかったのかメールで報告してきた彼は、窓の向こうで笑っていた。
そして私も……父と母に今までのお礼を言って交際を宣言すると、母は涙を流して喜んでくれた。
私の周りには素敵な人が溢れている。
私を理解してくれる、人達が。
「今日は、莉子ちゃんの門出を祝ってスペシャルジュース。
それじゃあ、あと、お願いね」
「おばさん、ありがとう」
頬を伝う透明の液体は、うれし涙だ。