「私……」
「ふたりで夢をかなえたいんだ」
「……うん」
お医者さんごっこの時したように……ふたりで……。
「それと、恋の病も最後まで治療してくれよな」
私の肩に手を置いた彼がゆっくり近づいてくる。
そっと目を閉じると、彼の唇が重なった。
もう間違えないよ。
この唇の、温もりは。
「おばさん、おはよ」
「莉子ちゃん……」
新山家にこうして朝訪ねるのは、久しぶりだ。
もう二度と来られないと思っていたのに。
「おばさん、私……顔わからなくて、迷惑かけちゃうかもしれないけど……」
「莉子ちゃん」
おばさんはうっすらと涙を浮かべて私のところまで歩み寄ると、両手を取ってくれる。