「ごめん。本当は平松を説得するべきだったのかもしれない。
お前のためになんて本当は嘘だ。
平松のフリをしてでも、莉子のそばにいたかった。
最低だ、俺……」


響ちゃんの告白に衝撃を受ける。


「響ちゃん……私……」


言いたいことはたくさんあるのに、言葉が出てこない。

哲哉先輩が私から離れていく予感は、当たっていたのだ。

だけど、その事実にショックをうけているより、今は……。


「好きなんだ、莉子」


耳に微かに届く響ちゃんの胸の鼓動が速い。

私のこと、ホントに……好き、なの?


「和代先輩、は?」と聞きたいのに胸がいっぱいで聞くことができない。


「せめて……莉子が落ち着いて物事を冷静に考えられるようになったら、本当のことを告白しようと思ってた。
だけど、それも言い訳だ。
自分のそばに莉子を置いておきたかっただけだ」