『世の中には、見た目にはわからない病気や障害を理解してくれない人もいる』と夏未先生は私に諭すように言ったけど、それが仲の良い友達だったら、正直ショックだ。
だけど、私の周りには、ひとりとしてそんな人はいない。
すごく、幸せだ。
「ありがとう……夢」
震えて打てないメールの代わりに、そうつぶやいた。
そして、学校が始まった。
朝、部屋の窓から響ちゃんの部屋を覗くと、人影が動いた。
起きているようだ。
えらいじゃん。
朝が弱い響ちゃんにしては上出来。
なんてお姉さんぶったことを思いながら、すっかり会えなくなってしまったことを、残念にも思っていた。