皆それぞれ、夏を満喫したんだ……と考えると、ちょっとブルーになったけど、家にいることが多かったとはいえ哲哉先輩と仲を深められたし、水族館だった行けたから大きな前進だ。
「莉子、すごいじゃん。宿題終わってるなんて!」
芽衣が私のノートを開いて驚いている。
「うん。哲哉先輩のおかげ、かな」
「キャー、ムカつく。結局彼氏できなかったもん!」
頬を膨らませる芽衣を、千春がなだめる。
「よしよし。焦ると変なのに引っかかるぞ」
「なによ、その余裕」
ますますふてくされた芽衣は、私のノートを写し始めた。
「そういえば、中学で一緒だった夢に会ったよ」
「え! 懐かしい。どこで?」
「うん。ショッピングセンターで。でも……顔がわからないって言えなかった……」
私は正直に話した。