それから、学校が始まるまではあっという間だった。

哲哉先輩と頑張ったおかげで、宿題も余裕を持って終わることができた。

【数学、全然できてない。ヤバイ】というSOSのメールを千春からもらった私は、哲哉先輩が塾のある午前中に、千春と芽衣を家に招いた。


「千春だよー。ホント助かる」


千春にいきなり拝まれて、思わず吹き出す。


「最初からそのつもりだったでしょ?」

「そ……んなことも、ないようなあるような?」


ケラケラ笑う千春は、よく日に焼けている。
彼と海に行ったらしい。


「芽衣は?」

「英語持ってくるって」

「芽衣も終わってないのか……」


すぐにやって来た芽衣も、こんがりと日に焼けていた。