「俺は、スポーツドリンクよろしく」
「……うん」
先輩は自分でできるのに私に押させる。
「こうすればいいじゃん」
「えっ?」
「はい」と取りだしたお茶を私に持たせた彼は、にっこり笑う。
「俺がお金を入れたら、莉子がボタンを押して、俺が取りだす。
全部ひとりでやらなくたって、協力し合えばきっと乗り越えられる」
先輩の自信に満ち溢れた笑顔は、私に勇気をくれる。
「先輩……ありがとう」
私、先輩の彼女でいても許されるかな。
結婚して子供ができて……なんて、実現したとしてもずっと先の話しだし、まだピンとこないけど、今はそばにいたい。
しばらく人の少ない公園のベンチで休んでいると、気持ちが落ち着いてきた。
もう少し、自分の心をコントロールできるようにならないと。
全部先輩に頼っている自分が情けない。