私……キス、してる――。

先輩はなかなか私を離さなかった。
そして私は、彼のなすがままにされていた。


「莉子」


彼の濡れた唇が、私の名前の形を作る。


「俺……莉子が、好きだ」


先輩の言葉に全身が震える。

本当に、私、でいいの?


目の前にいる彼の瞳に、私が映っている。

これが、私?
この顔が……。


「好きなんだ」

「先輩……」


再び抱き寄せられた彼の腕の中は、本当に温かかった。


「きっと、後悔する」


少し落ち着いた私は、冷静に口を開いた。


「私……先輩にどれだけ愛情をもらっても、きっとまた間違える」

「それでもいいじゃないか。間違えたら訂正しよう」


私は小さく首を横に振った。


「きっと先輩は、私を嫌いになる」