ホントは不安でたまらない。

だけど、哲哉先輩が一緒なら、もしかして……という期待も捨てきれない。

千春と芽衣と一緒のお出かけだって、幸い困ることはなかった。
ふたりにくっついていれば、見た目にも普通だったはずだ。

私は渋々頷いた。


夏休みの最後の日曜は、先輩の模試だった。
今の実力を知るための大切な試験らしい。


朝、【頑張って】とメールをすると、先輩が【まかせとけ】と返してくれた。


先輩が出かけるくらいの時間に窓から外を見上げると、まだ七時だというのに太陽がギラギラ輝いている。

そして、どこにいるのかセミがうるさいほど鳴いていた。


「明日、雨って……ホントに私、雨女かも」


試験が終われば先輩も一息できると、デートの約束をした。
きっと、成功すると、信じて。