やっぱり私、晴れ女、じゃなかったか……。
皆が憧れる平松先輩に告白されたというのに、私の気持ちはあの空の様だ。
「次、長瀬。黒板に答えを」
「は、はい」
「六十八ページの三問目よ」
またまた芽衣に助けてもらって、ようやく立ち上がった私は、ふらふらと黒板に向かった。
「ちょっと!」
数学が終わるとすぐに、芽衣と千春が飛んでくる。
「莉子、上の空だったじゃん。平松先輩とどうだったのよ?」
ふたりはニタニタしながら私を見つめる。
「うん。……告白、されちゃった」
「キャー、やっぱり!」
まるで自分のことのようにはしゃぐふたりは、テンションの低い私を不思議そうに見ている。