「芽衣は、元気?」
「うん。相変わらずだよ」
「そっかー、また三人で会いたいね」
「……うん」
泣きそうだった。
私だって三人で思い出話や現状報告ができたら、きっとすごく楽しいと思う。
だけど……。
「ごめん。デートの邪魔しちゃった」
「ううん、そんなことない」
「また、メールするね」
ニコニコ顔の夢は、「またね」と私達から離れていった。
だけど……私と夢の間に人が溢れると、もうどの人が夢なのか、わからない。
確か、白いドルマンスリーブのTシャツに、デニムのミニスカートを履いていたはず……。
ダメだ。
白いTシャツの人、いっぱいいる……。
どうしよう、もうわかんない。
「莉子。あの大きな柱のところを歩いていく髪の短い女の子だよ」
哲哉先輩がそう教えてくれたけど、溢れる涙でもう見えなかった。