しーんと静まりかえったリビングをそっとのぞくと、テーブルに置手紙がある。
【莉子へ
お母さん、余計なことばかり言ってごめんね。
できるなら、あなたと変わってあげたい。でも、できないの。
莉子のことは、お父さんやお母さんが絶対に守るからね。
力不足かもしれないけど、莉子は大切な娘だから。
パート行ってくるね。
冷蔵庫に冷やし中華作ってあるから、スープをかけて食べてね】
「お母さん……」
こんなに私の心配をしてくれるお母さんに、あんなに辛く当たってしまった。
響ちゃんにだって、そうだ。
私……最低だ。
冷蔵庫をのぞくと、私の好きな卵多めの冷やし中華が入っていた。
「ごめんね、お母さん……」
冷やし中華を手にしたまま、私はそうつぶやいた。