それに『付き合ってほしい』と聞こえたような……。
「あっ、あのっ……」
どうしてこんなに人気者の先輩が、私なんかに告白しているの?
頭が真っ白になって、なにも考えられなくなる。
「大切に、するから」
先輩の目は真剣そのものだ。
だけど……。
「あの、私……先輩のことなにも知らなくて。それであのっ……」
そう口にしながら、頭に浮かんでいたのは響ちゃんの顔だ。
「これからゆっくり知ってくれればいい。だから」
「……どうして私なんて?」
他にかわいい人はいくらでもいる。
特に取り柄があるわけでもなく、先輩と接点のない私がどうして?
「初めて見かけたのは、花壇なんだ。長瀬さん、花に水をやってるだろ?」
それは、所属する園芸委員会の仕事でもあるからだ。