響ちゃんと、一緒だ。
彼はお父さんが出て行ってから、その目標すら見失っているけど……。

だけど、もともとレベルの高いこの学校では、医学部を目指す人は少なくない。

先輩が医学部を目指そうとしていることまでは知らなかった。
だけど、私に決意を報告してくれた彼を、心から応援したいと思う。


「だから、夏休みは頑張らないと。
莉子も一緒に付き合うんだぞ」

「えーっ、勉強?」

「そう。もちろん」


先輩の笑顔は、私の癒しだ。


だけど……先輩が進路を決めた一方で、私は……。
看護師という目標は、もう達成できないかもしれない。


さっき、一歩ずつ進めばいいと思ったばかりなのに、やっぱり未来に不安を感じずにはいられない。