少しだけ学校の様子をしてくれた先生は「学校で待ってるぞ」と帰っていった。


響、ちゃんが? 
私のために?


先生の話に相づちを打ちながら、頭の中は響ちゃんでいっぱいだった。

もう、私のことなんて"バカなヤツ"くらいにしか思ってないだろうと思っていたのに。

やっぱり響ちゃんの存在は絶大だ。
私を一瞬で幸せな気持ちにする。


それにしても、病院という場所はとても退屈だ。

ケガのせいで多少熱があるものの、足の痛みも和らいできた。

やることがないとなると、余計なことを考える時間が増える。
それが今の私にとって地獄だった。


来てくれる看護師の顔は相変わらず見分けがつかない。
看護師の方も特に名乗る必要のある仕事はなかったから、淡々と仕事をして出ていった。