「先生に交渉してきたよ。
事情が事情だから、プリント提出で単位は出すって!」

「ホントに!?」

「多分、そのうち先生も来ると思うよ。よかったね、莉子」


『死にたい』なんて口走ったことをやっぱり後悔していた。
そんなことまでしてくれる友達が、私には、いる。


「ありがとう……ほんとに、ありがと……」


かすれてしまった声は、きちんとふたりに届いただろうか。


「莉子ー、泣かないで」


そう言う千春の目にも、うっすらと涙が浮かんでいる。


「私、英語頑張るから。莉子に教えられるくらい」


芽衣はこらえている千春とは違って、ポロポロ涙を流し出した。


「うん……うん……」


幸せな時間が流れた。

だけど……。