だけど、実際に母がわからないのだ。
余計な期待を抱かない方がいい。
母は私の世話を甲斐甲斐しく焼いてくれた。
毎日行っていたショッピングセンターのパートは休んでいるようだ。
それがうれしくもあったけど、どこかで悲しかった。
もう、ひとりでは生きていけないのだと言われているようで。
だけど、そんな感情を誰にも吐き出すことなんて、できなかった。
昼前に夏未先生が来てくれて、脳外科の検査について説明してくれた。
まずはMRIとMRAという検査で脳や血管の様子を撮り、脳外科の先生が見てくれるのだという。
だけど、それでフェイスブラインドが確定するという訳ではなく、他の病気やけがを否定するための検査らしい。