その地位まで奪われたくないと、私は”妹”と言われても必死に我慢している。
それにしても、こうして一緒の登校を許している和代先輩に、ライバルとも思われていないようで、内心はモヤモヤだ。
「莉子、芽衣。はよー」
そこに駆け寄ってきたのは、同じクラスの千春だ。
千春はハキハキとものを言う子で、私たちの中では一番しっかりしている。
彼女はサラサラの髪の芽衣とは違って少しくせのある髪だけど、いつもアレンジを楽しんでいてオシャレな子。
入学式の日に仲良くなり、それから三人はいつも一緒だ。
「おはよ」
「響先輩、相変わらずだね」
千春ももちろん、私の淡い恋心を知っている。