夏未先生の言うとおりだ。
私には、協力してくれる素敵な親友がいる。


「ひとつ、聞いてもいい?」


学校の様子を簡単に聞いた後、私は口を開いた。


「哲哉先輩は、無事?」

「うん。平松先輩は衝突は避けられたから、かすり傷程度だったみたい。
莉子のこと、心配してたよ。
だけど、ショックを受けて混乱していたみたいで、病院に運び込まれたときに付き添ってきたのは、響先輩みたい」

「響ちゃん?」


そっか……響ちゃんも同じ道を通って登校するのだ。
私から少し遅れて家を出たなら、通りかかったはずだ。


「ふたりには、会ってない?」

「うん。まだ……」


夏未先生が言っていた、『毎日毎日やってきて、ずっと廊下にいた男の子』って……。