これからどうなってしまうのか。
元の生活に果たして戻れるのか。

考え出したら、不安なことだらけだ。

芽衣や千春も、私にどんな言葉をかけてていいのかわからないのだろう。

だけど、大切なふたりまで巻き込みたくはない。


「ねぇ、千春。数学のテスト、どうだったのよ」


私は明るく振る舞った。
たしか、事故の日にまとめのテストがあったはずだ。

三人の中で成績が一番良いとは言えないけれど、数学の得意な響ちゃんに勉強を教えてもらっていたからか、数学だけは自信がある。


「えへへ。莉子がヤマはってくれないから、最悪だった」


千春がやっと笑顔を見せた。


「もう、千春ったら、莉子に頼ってばっかりなんだもん」


芽衣も笑おうとしている。