放課後。


自分のことを振った奴のことなんて忘れろと引き止める西崎に構うことなく、私は菜々と共に体育館にやって来た。


どうして体育館かって?
何を隠そう内村先輩は、我が高校のバスケ部のエースだからです!


たまーにだけど、実はこっそり先輩の練習を見に来てて。公式試合の応援に行ったこともあるけど、陰から見守ってただけなので当然先輩は知らない。


「かえで。先輩と会ってどうするつもりなの?昨日フラれたばっかなんでしょ?」


菜々が心配そうに私に問いかけてくる。


「うーん。とにかく好きってことを伝えて……それから……」


「あんまりしつこくしても、先輩に迷惑かけるだけなんじゃない?」


「うっ……」


菜々の言葉に思わず押し黙る私。
確かにそうかもしれないけど……ここまで来ちゃったし、もう後戻りなんて出来ないぐらい先輩のこと好きになっちゃったんだもん。


「と、とにかく!今日、もっかい告白して、それでもダメだったら諦める!」


当たって砕けろ。というかすでに昨日砕けてるから、さらに粉々になりに行こうとしてるわけなんだけど。


だから、それぐらいの覚悟で今日もう一度伝えるんだ、私の気持ちを。