そして、私たちはすぐ行動に移すことに。

中庭から聞こえる蝉の声。

生温い風が吹き抜ける廊下を歩き、生徒会メンバー全員で職員室に押しかければ、教師たちは何事かと瞬きを繰り返した。

会長が白髪交じりの教頭先生に子猫の話をすると……


「うーん……猫か……」


教頭先生は考え込みながら、かけているメガネのアーチをくいっと指で押し上げた。

直後、話を聞いていた生活指導の先生がニコニコしながら声にする。


「そのうち出て行くんじゃないですか?」


生活指導の先生は温和で面倒見のいい先生。

子猫の事を考えてくれているのか、保健所という言葉は出さずにいてくれた。

けれど、それに反発の声が上がる。