「先輩……?」 「……は……かと思った……」 「え?」 よく聞き取れなくて聞き返すと、先輩は唇を噛んでから…… ふっ……と、肩の力を抜いて、微笑んだ。 「良かった。無事で」 そう言って、私を支えて起こす。 そこにいるのは、いつもの柔らかい雰囲気を纏った水樹先輩だった。 私が再び感謝を伝えると、会長たちが駆けつけて。 水樹先輩の様子が少し気になったけど…… 結局、私は何も聞けないまま、また掃除を再開した。