段々と冴えてきた頭で、そうであれと強く思う。

そして、確かめるようにベッドサイドテーブルの上に置かれたスマホを手に取ると、連絡帳を開いて水樹先輩の名前を探す。

夢の中では、彼の連絡先が消えていたはずだ。


緊張で、ドクンドクンと心臓が強く打つ。


確認するのが怖い。

その恐怖心を振り払うようにして指をスライドさせ、先輩の名前がある場所までスライドさせると……


「……あった!」


嬉しさに、私は飛び起きてスマホを胸へと寄せた。


「何よもうっ。やっぱり夢だったんだ」


良かった!

夢で本当に良かった!

そうだよね。

先輩がいなくなるなんて、そんな馬鹿なことあるわけがない。