だ……大丈夫。

私に何かが起きるのは明日。

だから今は先輩が隠されるのを止めるんだ。


心に決めて、私は学園内に入った。


夏休み最終日ということもあって、今日はさすがにどこの部も休みらしく、生徒の気配はない。

職員室には先生たちがいるだろう。

私服だし、一応見つからないようにと校内で水樹先輩の姿を探した。


ふと、2階への階段を上る水樹先輩を見つけて。


「先輩!」


声を掛けるけど、届いていないのか水樹先輩はどんどん昇って行ってしまう。


同じだ。

あの夏と同じ。


何度呼んでも水樹先輩が振り向いてはくれないのも。


「水樹先輩待って!」


辿り着いた先が、屋上への扉なのも……同じ。