水樹先輩は口を閉ざしたまま。
瞳には驚きの色はすでになく……
ただ、私を悲しそうに見ている。
プール清掃の日と
『良かった……』
子猫たちが亡くなった直後にも私に向けられていた
『……このままだと、また俺は……』
泣き出しそうな瞳で。
私は、水樹先輩の前まで歩み寄る。
けれど、そこで初めて視線を逸らされて……
ああ……やっぱりまた拒絶されてしまったと、胸が痛むのを感じた。
こんなに近くにいるのに、心は別の方を向いている。
挫けそうになったその時、会長の言葉を思い出した。
私なら、きっと変えられると言ってくれたのを。