「んー…そうか。そりゃ確かにショック受けちゃうなぁ」


宥められながら会長に連れてこられたのは、駅の裏手にある小さな公園。

そこに備え付けられているベンチに腰を下ろし、私は会長に水樹先輩とのことを話した。


ヤキソバたちの事があって、きっと会長も疲れているだろう。

だから、最初は相談することに迷っていたんだけど……

溜め込まないでという優しい言葉に、甘えてしまった。


手には会長の買ってくれた冷たい缶のお茶。


会長はベンチに背を預け、空を仰ぎ見る。


「……水樹はさ、時々寂しそうに笑うよな。それから、心のどこかで俺たちとの距離をとってる」


そんな気がする、と静かな声で水樹先輩の事を語る会長の横顔は、少しだけ憂いを帯びていて。

私はそんな会長を見つめながら、話しに聞き入る。