それは、誰に投げかけられた言葉?


混乱する頭。

問いかける言葉も見つからず、ただ立ち尽くしていたら。


「ごめん。真奈ちゃん」


水樹先輩は、確かに私の名前を呼んで謝罪を口にし……


「俺はもう、君と関わりたくないんだ」


信じられないような言葉を続けた。


よく、わからない。

これは夢?


……違うよ。

夢じゃない。


だって、私の肌にまとわりつく夏の熱気も、風がそよぐ音も、何より……


暴れるように打っている心臓の鼓動が、すごくリアルだ。