「今日は学校?」


制服姿だからだろう。

質問されて、会長が首を縦に振った。


「生徒会の活動で」

「生徒会の子たちか。あのね、今から役所の人が遺体を引き取りに来るから。後の事は私らに任せて、学校に戻りなさい」


その言葉に、水樹先輩が頭を振る。


「世話していた猫なんです。せめて……見送らせてください」

「飼ってたのかい?」

「学校で許可をもらって……みんなで毎日世話をしてました」

「そうか……それなら、何も言わないよ」


駐在さんは優しい笑みを浮かべると、持ってきたビニールシートを子猫たちの上に被せた。


そして、30分後──


「それじゃ、よろしくお願いします」


駐在さんが挨拶すると、役所の人が子猫たちの遺体を引き取り車に乗り込んだ。