「……そんな……」

『一応、覚悟はしておこう』


会長も詳しく聞けていないんだろう。

私は「はい」と返事すると、通話を切り……


目的地に向かって走り出した。



ホタル川。

正式名称は別にあるけれど、夏にはホタルが見られることで有名だから、そんな名前がついたのだと、以前、おじいちゃんから聞いたことがある。


息を切らせながらホタル川にかかる玻璃橋に着くと、すでに生徒会のみんながかたまって立っているのが見えた。

みんなの視線の先は、橋の下にいる数人の人だかり。

橋の下で何かあったのだと、すぐにわかった。


それはきっと……私たちが探している子たちに繋がっている。


私は嫌な予感に胸を騒がせながら、みんなの元に駆け寄った。


「あの子たちはっ?」


私の声に答えてくれたのは、顔色の悪い赤名君。


「みんな……死んでた……」


悲しい報告に心臓がひとつ強く反応を示し、次いで締め付けるような苦しさを覚えた。