「……良かった……」
布団の上で寝息をたて、穏やかに眠る水樹先輩の姿があった。
肩からタオルケットをかけ、横向きにうずくまる水樹先輩。
水樹先輩の寝顔は、よく見るけど……
ちゃんと布団で寝てる先輩を見るのは初めてだ。
普段見ることのできない光景で、ちょっと嬉しい。
私は水樹先輩の横に座ると、先輩の肩に触れてそっと揺らした。
「先輩、朝ですよ。起きてください」
「……ん……」
小さく声が聞こえて、水樹先輩の長い睫が震える。
そして、瞼が開くと、ぼんやりとした視線で私の姿を捉えた。
「……真奈ちゃん……」
「おはようございます、水樹先輩」
挨拶をして微笑むと──